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師匠 

「覚悟はしてきたんだろうな?」
「はい。」
「じゃあ、全部脱ぎな。下着も自分で取るんだ。」
「師匠・・・、師匠は・・嫌いな者でも閨を共にできますか?」
「嫌いなヤツとは一緒に飯も食いたくは無いね。」

時春はちょっと緊張がほぐれ、自らの袴の紐を解いた。


松次郎が時春の男根を咥えた事に時春はかなり驚いた。
くちゅくちゅと時春の男根を舐めまわす。

「し・・、うう・・あ・・!」
「悦に入ってないで覚えろよ、色子はこんなこと先にやってくれるぜ。」
「・・・、はい・・・っ・・く・・・」

味わった事の無い快感に翻弄されそうになりながら、時春は松次郎をなんとか繋ぎ止めたくて必死だった。

「時春・・・」

聞こえるか聞こえないかの声で松次郎が時春の中で果てた。

どこか遠くから笛の音と太鼓の音が聞こえる。
ああ、そういえば神社の境内に幾日前から祭りの準備がしてあった、と時春は思い出した。
だから長屋の女、子供がさっきからやたらとせわしないのか・・・、そんな余計な事に気をとられていると、松次郎がググっと奥までその硬い男根で時春を突いた。

「ああっ・・・う・・っ」

20090330g.jpg




苦しさに顔が歪む。何かにすがりつきたくて手元にあった刀に手が伸びた。

「何だ?お前から言い出した事なのに今更俺を切るのか?」
「ち、違・・・・んっ・・う・・あっあっ・・・」

子供の走り回る下駄の音と笑い声に、時春の嬌声はかき消される。

「もっと声出せ、いつもみたいに我慢することはねえだろ、外がこれだけ騒がしいならさ。」
「し、師匠・・・本当に・・・約束してくださいますね・・・?」
「しつこいぞ、解ったと言ったろう。」

師匠とこの長屋の狭い部屋に篭り、朝、夜となく交わって何日だろう。
もう時春の菊座は赤くなって痛みすらあった。

「限界か?」
「い・いえ・・・、師匠が芳町に通わないと言ってくれるのならこれくらい・・・。」
「芳町で陰間を買う事がそんなに気に入らないか。」

ぐいぐい、と腰を動かす。

「・・・っ・・・い、嫌です・・・」



松次郎はかなり下級の武士ではあったが、その剣の腕前は冴えわたり道場主に道場を任されるまでになった。
それがどうした事か、いつの頃からか芳町に出向いて身体を売っている見習い役者に夢中になっているという。

「そんな方を師匠と仰ぎたくは無い。」

と、道場に通う者達が言い出した。
最初それは松次郎を嫌う、上級武士の同じ師範代である綿谷油木助(ゆきすけ)が流した戯言だと時春は思っていた。

「確かめに行こうじゃないか。」

そう誘われ、しぶしぶ着いて行った芳町で、松次郎が綺麗に化粧をしている色子と居るのを見てしまった。
それを見た門弟が数人綿谷に申し出て、ついに道場を辞めさせられたのだった。


時春は松次郎の剣筋に惚れていた。そして師匠としても立派な人柄だと信じていただけに打ちのめされた気分だった。

「哀れな末路だな、男に狂うとはの。」

そのような事があった数日後に綿谷が時春に話しかけてきた事があった。

「そなたは自覚しておるのか?そもそもそなたが原因ではないのか?」
「何を・・・おっしゃいます?」
「解らぬならよい。私はあやつが居なくなってせいせいした。」


時春はその言葉の意味を半分は理解していた。
師匠として松次郎に心底惚れていた時春は、松次郎に男色の気配を感じなかったわけではない。
そうと知ってはいたが、やはり行為そのものには嫌悪を感じ、意図的に避けた。
が、芳町で色子といる松次郎を見た時、身体の何処かが燃えあがる気がした。


「師匠、私で・・・お相手が済むのなら銭もかからないでしょう?気が済むほど精を抜かれましたならまた是非とも師範代として戻っては頂けないでしょうか。」

松次郎の、元師範代とは思えないような長屋の家に赴き、時春は頭を下げた。

「・・・お前が陰間の代わりになるって言うのか?」
「はい・・・。なんなりと・・。」

松次郎は、ふっと時春から顔を背けて苦笑したが、すぐにその手を伸ばした。

「覚悟はしてきたんだろうな?」
「はい。」
「じゃあ、全部脱ぎな。下着も自分で取るんだ。」
「師匠・・・、師匠は・・嫌いな者でも閨を共にできますか?」
「嫌いなヤツとは一緒に飯も食いたくは無いね。」

時春はちょっと緊張がほぐれ、自らの袴の紐を解いた。


松次郎が時春の男根を咥えた事に時春はかなり驚いた。
くちゅくちゅと時春の男根を舐めまわす。

「し・・、うう・・あ・・!」
「悦に入ってないで覚えろよ、色子はこんなこと先にやってくれるぜ。」
「・・・、はい・・・っ・・く・・・」

味わった事の無い快感に翻弄されそうになりながら、時春は松次郎をなんとか繋ぎ止めたくて必死だった。

「時春・・・」

聞こえるか聞こえないかの声で松次郎が時春の中で果てた。

「師匠・・・、お・・お慕いしています・・どうか・・どうか」

身体の中に松次郎の熱さを感じて、思わず時春は言った。
松次郎はそんな献身的な時春を、かねてから愛しいと思っていた。が、自分を偽って陰間に逃げ、道場を破門された自分には時春に答える事はできなかった。
だが、愛しい時春の身体を離す事もできず、こうして昼夜問わず時春の体温に溺れるのだった。


陽も落ち暗くなった松次郎の長屋の家を、表ではしゃぐ子供と女共の持つ提灯の明かりがわずかに照らした。