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千之丞 

床に座った平井がここに乗って、と自分の太ももを指さして言った。
私のここに貴方のこれを擦り付けて気をやる所を見せて、と千之丞の固くなってきている男柱を掴みやさしく撫でた。

千之丞は頭を平井の胸に寄せて腰を動かした。
手で扱けなくて焦れったかった。
早く到達したい・・・。
「はぁ・・・、ん、平井様・・・ああ・・っ」平井が強く口を吸ってやって菊座に指を入れたら、あっという間に
千之丞は平井の足に白いものを漏らした。

「欲しいですか?」
千之丞は熱っぽい瞳で頷いた。

千秋楽の芝居も大賑わいで引けて、千之丞は迎えの籠が来たと聞き髪を整え外に出た。
その姿を一目見ようと演目も終ってかなり時も経つというのに、老若男女沢山が待っていた。

ちらりとだが、籠に乗るその姿を見て大勢がため息をつく。
「綺麗な方だねえ、仏様もなんでこう、贔屓してお造りになったかねえ。」と言う者がいて、それに頷く人々、そして籠が見えなくなると散りぢりに去っていった。

大きな呉服問屋に付くと、千之丞はゆっくりと籠を降りた。
問屋の番頭が自ら出てきて招き入れた。丁稚が千之丞の手荷物を預かる。

千之丞は立派な渡り廊下を静々と歩きながら綺麗な中庭に目をやった。月も大分真上になって池にその姿を映している。

「やあ、やっと来て下さいましたか。千之丞様。今日も良い芝居でしたよ。」
座敷には膳が用意されて、そこに若いが風格のある男が座っていた。
「では若旦那、何かありましたら・・・」と番頭は千之丞と若旦那と呼ばれている男に頭を下げ、部屋を
後にした。

「ようやく当世一の役者さんをお招きできた。」
「平井様・・・今宵のお招き・・・あ!」
ぐい、と手を引かれ平井の膝に手を付いた。
「堅苦しい事はよしませんか、お疲れでしょう。さあ、お酒でもどうぞ。これは堺の三輪屋から取り寄せた美酒なのですよ。」
「私がお注ぎしましょう・・・。」
美しい仕草で千之丞が酒を注いだ。

「立派な芝居小屋にして差し上げますよ。何もかも私に任せて下さればいい。」
すっと平井は立ち上がって横に積んであった反物を次々と広げた。衣桁にも、派手な牡丹の柄の物、
七宝の定型などが金の糸で描かれたものなどをどんどん掛けて行く。

「この商売を継いでも楽しい事など無いと思っていたが・・・。」
その色の洪水のような生地を見つめて平井は言った。
「貴方を着飾ってあげられるのであれば、至福を感じますね。」

千之丞は黙っていた。
どれがお好みですか?と平井が聞いてくる。
今度の芝居ではあの柄など良いのでは・・・きっと貴方の肌に映えますよ、と言いながら千之丞の横に座りなおした。

「そんなに身体を固くなさらなくても。」平井は笑って千之丞の顎に手を掛け、口を吸った。

「もう貴方くらいにおなりになるとこうやって贔屓の客と寝る事なぞそうは無いのでしょうね。そういうのは見習いの舞子の役目でしょうから。」
「・・・いいえと言ったほうがよろしいですか?はいと答えた方が?」
ふふ、と平井は笑って、身体に聞きますからいいですよ、と言った。

さすがに芝居小屋を立て直すとなっては顔も名前も知られていない舞子をよこすわけにはいかなかった。


袴の紐を解かれ下半身に平井の手が伸びた。

実際の所、千之丞にとって久々の色事だった。あの頃はみるからに助兵衛そうな年寄りや、肥えて
酒臭い商人などに大勢抱かれたものだが・・・。

平井は酒を千之丞の後ろの菊座に少々塗りこんだ。
かっと熱くなる気がする。
千之丞も平井の舌を吸い、着物の袷に手を入れて欲しがっているフリをした。

「役者の貴方も好きですが、今は芝居はしなくていいですよ。私は素の貴方も見てみたい。」

胸元を平井の舌が這う。紅く尖ってきた乳首を軽く吸い、軽く噛んでやる。
千之丞の身体が熱くなってきて焚き染めてきた香が芳しく匂い立つ。

「あ・・・」 どうしよう、と覚えのある久しぶりの快感で千之丞の身体はうねった。

床に座った平井がここに乗って、と自分の太ももを指さして言った。
私のここに貴方のこれを擦り付けて気をやる所を見せて、と千之丞の固くなってきている男柱を掴みやさしく撫でた。

千之丞は頭を平井の胸に寄せて腰を動かした。
手で扱けなくて焦れったかった。
早く到達したい・・・。
「はぁ・・・、ん、平井様・・・ああ・・っ」平井が強く口を吸ってやって菊座に指を入れたら、あっという間に
千之丞は平井の足に白いものを漏らした。

「欲しいですか?」
千之丞は熱っぽい瞳で頷いた。
太い男柱でかき回される快感を思い出して再び萎えたものが立ち上がりかけた。

「では後ろを向いて。私のものに腰掛けるように自分で導いて下さいな。」
優しげに平井は微笑むくせに意地が悪い。
煙管に火を付けて千之丞が恥ずかしそうに跨る様子を見ていた。

20090330c.jpg



貴方に惚れこんでいるのですよ、本当に・・・と千之丞の小さな穴に飲み込まれていく自分の男柱を
見ながらくぐもった声で平井は呟いた。


千之丞はその低い声を聞きながらいつも熱い眼差しで自分の芝居を見てくれている平井を思い出した。
そして深く、平井を招き入れた。