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成人式 

日が暮れるにつれ清乃介は緊張して身体が強張る。
湯を浴びて身なりをきちんとし、呼び出された信吾衛門の屋敷に向った。
座敷は行灯の灯りで薄暗かったが、布団が重ねてあるのが目に入った。
清乃介は動揺する自分を押さえ、手を付き頭を下げて挨拶をした。

「信吾衛門様、六之進様、こ・・今宵は・・・。」

緊張のあまり挨拶すらまともにできない自分が恥ずかしくて、消えてしまいたい気持ちになった。

「やっと清乃介を抱けるのは嬉しいが、これで大人姿になってしまうのが残念だな。目の保養でずるずると皆で先延ばしにしていたが。」

六之進は酒の乗った台を少し遠くへずらした。二人ともすでに少々嗜んでいたようだ。
いつ頃からこの風習ができたのか定かでは無いが、年長の者が協議をして下の者の身体を開いてやり、それが暗に大人になる祝いとされていた。